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買い付け日記【ベトナム─布編】

旅で仕入れるものは、
手仕事の余韻を感じるものと決めていた。
どんなものと出合うかは、
正直、来てみないとわからない。
だから、ある程度
軸となるものだけ定めたら、
あとは、その時その場所で
心惹かれたものを持ち帰る。
最初から何を買うか
あまり決めすぎないくらいの方が
私にはちょうどいい。
今回の旅も、そんな感じだった。

街をふらりと歩いていると、
偶然、あるお店が目に入った。
一見、よくある民族雑貨店かと思ったが、
店の奥に入ると、
ここに来る前に訪れた博物館で見たような
年代物の布がずらりと並んでいた。
思いがけない出合いに驚きながら
興味深げに布を眺めていると、
店主の女性が「上にもあるよ」と
真っ暗な階段の電気をつけて、
二階へ案内してくれた。
階段を上ると、
さらに信じられないほどの量の
古布のコレクションが広がっていた。
聞けば、店主が若い頃から、
少しずつ集めてきたものだという。
「これはコイザオ族の布で」
「こちらは50年前のもの」
どんな民族がいつ頃
どんな時に使っていたのかを
丁寧に教えてくれた。
予定外の巡り合わせに
ただ圧倒されるばかりで、
その場では購入せず、
一旦宿に戻って冷静に考えることにした。

翌日。
やっぱりあの布たちが気になって、
もう一度店を訪れた。
「わたしを覚えてる?」と店主に聞くと、
笑顔でうなずきながら、
すんなりと二階へ案内してくれた。
こんなにも美しい布を、
昔の人は手仕事で、
糸となる繊維を採り、染め、織り、縫い、
ひとつひとつの工程を丁寧に重ねてきたのかと、
その背景に思いを馳せながら、
じっくり手に取り、選んでいった。


宿に戻り、布を広げてみると、
ふと、暮らしに溶け込むイメージが浮かんだ。
この布を、今の暮らしに取り入れたら
どんなに素敵だろう。
名もなき職人たちが作ったものを、
暮らしの中で、もう一度輝かせたい。
そう思って、翌日また店を訪れた。
「はろー、あげいん」と言って入ると、
店主はまた、笑って迎えてくれた。
まだ三度しか訪れていないのに、
すっかりその空間が愛おしくなっていた。
* * * * * * *
この旅で持ち帰ったものは、5月の展示会で並べます。
一部の布には、その布が持つ魅力を引き出すアレンジを提案します。
その布が今の暮らしにどう馴染むのか、
実際に手に取って、ご覧いただけたら嬉しいです。
オンラインショップには、展示会後に順次ご案内する予定です。
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