用事の合間にぽっかりと時間が空いたので、ちょうど通りがかった京都国立博物館で開催中の「宋元仏画展」を見ることにした。
貴重な仏教絵画や仏像などを興味深く見てまわり、ブッダが亡くなって嘆き悲しむ人の絵を見て「…そういえばブッダって実在の人物だっけ」と、遠い昔に歴史の授業で習ったのをようやく思い出したりしていた。

そして翌日。たまたま立ち寄った本屋さんで、昨日博物館で見たばかりのブッダが、ゆる~いタッチのイラストになって呑気に微笑んでいる本の表紙に目が留まった。『自分とか、ないから。』というタイトルもブッダの表情も、とにかくゆるい。生き方に迷った人が一度はたどり着く「自分探し」を覆すようなこのタイトル。なんか面白そうと、購入して読んでみた。


サブタイトルにある「東洋哲学」とだけ聞くと難しそうに感じるのだが、ブッダの教えである「無我」を体現するかのような脱力系エッセイで、これまで仏教についてよく知らなかった私も、軽妙な語り口に笑いながら、すいすい読めた。それにしても、文明がこれだけ発達して時代が変わっても、人の悩みや真理は同じなんだな。私が今まで考えてきたことも、いかに難しく考え、不自然なことをしようとしていたか、分かった気がした。

あれこれ難しく考えすぎると、頭の中が思考だらけになって視野が狭くなり、そこからなかなか抜け出せなくなる。そんな時は、この本を読んで、ちょっとゆるんでみるのもいいと思う。

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